研究者

水素水を飲むことで期待されること

 

活性酸素を除去する効果で話題になっている水素水ですが、この水素水を飲むことでどのような効果が期待できるのでしょうか?
現在水素水の飲用による効果の研究は2007年の水素による抗酸化作用の学術論文の発表がなされて以降動物実験による基礎研究の他にも小規模ながら臨床研究も行われています。

 

その研究の進行スピードは速く、最初の学術論文が発表されてから5年の2012年では200を超える論文の発表がされています。
その研究結果から示される水素水の飲用による効果で少なくとも以下の効果については臨床研究により効果があったとされています。

 

動物実験・臨床研究により効果が示された
糖尿病の改善
酸化ストレス抑制
放射線治療福作用抑制

臨床研究により効果が示された
抗疲労効果

その他動物実験の段階では効果があるという研究結果が出ているものについては

神経変性疾患抑制
放射線障害抑制
動脈硬化抑制
腎機能/腎移植障害抑制
小腸移植による障害抑制
アレルギー性疾患抑制
薬剤副作用抑制

なお、この研究に対して「水素ガスの発表がメインで水素水の研究結果はない」という方もいらっしゃるようですが、少なくとも上記に記す研究結果は「水素水」によるものです。

 

この臨床研究で飲用されている水素水は900ml~1500mlが多いですので、水素水を飲まれる際は1L前後を目安にすると良いでしょう。
濃度に関しては比較的濃度の薄いもので結果が出ている動物実験はありましたが、概ね飽和濃度(1.6ppm)かそれに近い濃度がほとんどでした。
これら水素水の効果は水素水内に含まれる水素によるものですが、何故今まで水素が注目されていなかったのか、水素がどのようにこれらの効果をもたらしているかを説明します。

 

 

水素は毒性の高い活性酸素を除去する

化学式(サンプル)

 

 

 

 

 

2007年以前の水素は不活分子として扱われていました。
確かに酸素の存在する空気中で水素が約4%以上75%以下の状態で着火すると爆発(燃焼)を起しますし、フッ素等と反応を起します。
しかし常温での水素分子は非常に安定しており触媒のない状態では反応しないと考えられていました。

 

しかし近年水溶液中の水素分子は活性酸素の一種であるヒドロキシルラジカルと反応する事が分かったのです。
体を酸化ストレスによる細胞障害、老化促進を促し多くの生活習慣病の原因とされている活性酸素が有名になったことにより、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE等の抗酸化ビタミン、アスタキチンサン等の抗酸化物質が話題となっています。
しかしこれら抗酸化物質は体にとって大事な役割を果たす活性酸素までも除去(還元)してしまうのです。

 

活性酸素はその酸化作用から細菌等の外敵を殺菌したり酵素の活性を高めるなど、人体にとってなくてはならない存在です。
この活性酸素が悪者として有名になっているのは脂肪や塩分などと同じように「過剰に存在すると害になる」ということの他に、マナーを守らない喫煙者のイメージで喫煙者全体のイメージが悪くなっているように一部の活性酸素種により悪者というイメージになってしまっています。

 

実は一言に「活性酸素」といっても一般的には4種類あります。
「スーパーオキシドアニオンラジカル」、「過酸化水素」、「一重項酸素」、「ヒドロキシルラジカル」という4種類の活性酸素種の内最も酸化作用の高いのはヒドロキシルラジカルであり、生活習慣病の原因と言われている活性酸素とは大体はこのヒドロキシルラジカルを指します。

 

それ以外の活性酸素種は過剰に存在していなければ細胞を守るなど人体にとってなくてはならない存在なのですが、一般的に抗酸化物質は全ての活性酸素種に作用してしまいます。
その結果健康のためにと取り入れた抗酸化物質により健康被害が起きてしまうケースも存在します。

 

これに対して水素は酸化作用の強いヒドロキシルラジカルを特異的に除去する為、他の抗酸化物質よりもリスクが少ないとされています。
この水素の抗酸化作用によるヒドロキシルラジカルの除去が、水素の多彩な効果を生み出しています。
この水素を用いた水素水点滴や水素水注射等の治療を受けられるクリニックが全国で80以上存在する他、水素ガスを用いた臨床研究で注目されているものがあります。
それは心停止状態の患者に水素ガスを吸入させることで心停止による後遺症を軽減させるというものです。

 

 

水素ガスを用いた臨床研究

心臓が痛い

 

 

 

 

 

心停止になると当然ながら人体の血流は停止します。
脳は酸素が供給されない状態が3~4分続いてしまうだけで細胞死等の脳組織障害が発生してしまいます。
これだけであれば心肺蘇生法、人工呼吸等の方法で脳に酸素を送れば良いと考えてしまいます。
血流が止まっている状態(虚血状態)から心肺蘇生などにより血流が回復する(再灌流)と、血液が止まっていた状態で酸素が活性酸素となり酸化ストレスを発生させ、また細胞死(ネクローシス)による細胞内の成分が血液に溶けだしてしまいます。

 

このような有害な血液が心肺蘇生法などで全身に巡ってしまうと体全体の組織に障害が出てきてしまい、これを「虚血再灌流障害」といいます。
これにより心停止後の心肺蘇生で様々な後遺症が発生してしまいますが、水素ガスの吸入により予防しようというのが今回の臨床研究の目的です。
この臨床研究は約2年間慶応大学病院や熊本大学病院、香川大学病院など全国の医療機関12施設で行われ、早ければ3年後には実際に運用される可能性があります。

 

 

心停止だけで起こるわけじゃない虚血再灌流障害

 

なおこの虚血再灌流障害ですが、災害時にも発生します。
災害により心停止になってしまった場合以外にも、瓦礫の下敷きになってしまうなどで体の一部の血流が滞ってしまうと、その箇所で先に話したような有害な血液が溜まってしまいます。
救助された直後は体調が良好であってもその有害な血液が体全体を巡ってしまうことで場合によっては最悪の場合は死亡してしまうケースも存在します。

 

これをクラッシュ症候群(挫滅症候群)といい、阪神淡路大震災で広く知られるようになりました。
このような場合可能であれば止血帯や1L以上の水分摂取等の応急処置をする必要がありますが、なによりも重要なのは血液透析のできる災害拠点病院への搬送となります。
2011年の東日本大震災や今年(2016年)発生した熊本地震など、地震災害はいつどこで発生するか分かりません。

 

かねてから懸念されている首都直下地震のこともありますので、せめてクラッシュ症候群というものの存在と、例え元気であっても血液透析の可能な病院への搬送が必要である事は覚えてくださると幸いです。

 

 

話がずれてしまいましたが、水素水は水素の抗酸化作用により様々な病気に対する効果が期待されており、現時点で臨床研究による論文効果が示されているのは「糖尿病の改善」「抗疲労効果」「酸化ストレスの抑制」「放射線治療副作用の抑制」、動物実験の段階でヒトに効果がある可能性が示唆されているのは「動脈硬化の抑制」「神経変性疾患の抑制」「腎移植を含めた腎機能障害の抑制」「小腸移植による障害の抑制」「アレルギー性疾患の抑制」となります。

 

また、水素水で効果が出ているにもかかわらず水素ガスでは効果がなかった実験結果もあり、同じ水素を使っていたとしても水素水と水素ガスでは作用機序が異なる可能性も示唆されています。

 

 

まとめ

 

 

  • 水素水は水素の抗酸化作用により病気に対する効果が期待されている
  • 水素水を用いた効果は臨床研究、動物実験により示唆されている
  • 水素は他の抗酸化物質と違いヒドロキシルラジカル(毒性の強い活性酸素)を選択的に除去する
  • 心停止患者に水素ガスを吸引させる臨床研究が始まった
  • 血流が止まった後再度流れることで起きるクラッシュ症候群に注意

 

 

やはりネット上では水素水の効果に対して批判的な意見が多いなという印象を持ちました。
ネット上で水素水の効果を「臨床研究がされてなく動物実験のみ」と批判している人が多いですが、少し調べてみれば「水素水」での効果を示している学術論文は多くあります。
これについても「論文なんて提出するのは簡単だ」と論文の信憑性がないとしているコメントをよく見かけます。

 

実験結果で示している結果と最初から嘘だと決めつけての発言のどちらに正当性があるのか少し考えればわかると思うのですが…
韓国や中国の歴史に関する主張と日本の資料などで根拠を示した主張のどちらが国際的に信用されているかを見れば一目瞭然ですが、否定するときに根拠を示さなければ信憑性は低いです。
とはいえ流石にデータの整合性の取れていない、又は結果に対してプラセボとの比較がされていないような実験結果は信憑性に乏しいのも本当ですので、今出ている実験結果全てが正しいかと聞かれると、それも違うと答えさせていただきます。

 

現在は小規模な臨床研究がメインですが、今後研究が進めばより大規模な臨床研究に進むと思います。
科学は疑問や推測に対して実験を行い検証、それを根拠として立証されてこそ意味のあるものだと考えていますし、賛成派と否定派の根拠を示した研究結果がディスカッションされてこそ正しい答えに行き着くものだと私は考えています。
そのため効果があるとしている研究結果が進んでいき効果がないと言っている人が研究者以外の人だけというものに歪なものを感じています。
現在研究は進んでいますので、その結果が楽しみです。

 
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