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アルカリイオン水は様々な別名がある

アルカリイオン水という言葉を最近聞かなくなっている人も多いかと思いますが、現在「アルカリイオン水」と同じものでありながら、別の名称となっている場合があります。

 

その名称は「電解水素水」「電解水」「電解還元水」「電解還元水素水」「還元水」「還元水素水」「アルカリ還元水」「還元性水素水」等様々となっています。
この理由としては、「アルカリイオン水」には正式な名称が存在せず、各製造メーカーがこの水のどこに着目して命名されているかに関わっていると思われます。

 

アルカリイオン水という名称はこの水がpH9~10の「アルカリ性」であることに注目して命名されたものでしょうし、電解水はこの水の作成方法が水を電気分解していることに由来しているものと思われます。
現在では還元水素水等の「水素」や「還元」が付いた名称で呼ばれることが多いですが、これは近年研究が進み実際に医療現場でも使用されている水素の活性酸素を還元する働きによるものと思われます。

 

水を電気分解すると水素と酸素を生成します。
その為電極の陰極(マイナス極)側には水素を含んだアルカリ性の水(アルカリイオン水)が、陽極(プラス極)側には酸素が含まれた酸性水が生成されます。
つまりアルカリイオン水には水素が含まれており、その水素由来の還元する力も備えています。

 

この水素に着目すれば電解水素水、還元に着目すれば還元水、水素の還元する力に着目すれば還元水素水というように、メーカーがその商品のどこをウリにしているか、独自性のある名称にして印象を残そうという思惑などから、このように様々な名称が存在するようになったのだと思われます。

 

 

アルカリイオン水の効果は本当か?

アルカリイオン水の宣伝を受けたことのある方であれば

  • 「アルカリイオン水は灰汁抜きに便利」
  • 「アルカリイオン水でご飯を炊くといつもよりおいしい!」
  • 「アルカリイオン水でお茶を淹れると濃く出る」
  • 「アルカリイオン水は農薬を取り除ける」←悪質な情報です

というような話をされているのではないでしょうか。

 

 

悪質業者の語るアルカリイオン水のニセ効果

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このような話は本当であることも多いのですが、まったく違うものもあります。
事実とは違う効果は利用者やメーカーの思い込みである場合もありますが、メーカーが自分達の商品を売りつけるために発信している悪質な情報であることもあるので注意が必要です。

 

アルカリイオン水の効果を紹介する前に、私が最も悪質だと感じその情報を本当だと思って発信されていることの多いものを紹介します。
それは「アルカリイオン水は残留農薬を除去できる」というものです。
これは完全な嘘とは言えないのですが、「アルカリイオン水だから」落とせるというものではありません。
何故なら、残留農薬は流水によって落ちるからです。

 

なのでアルカリイオン整水器などで生成したアルカリイオン水で野菜を洗おうが水道水で洗おうが酸性水で洗おうが残留農薬は落ちます。
その為「アルカリイオン水が残留農薬を除去できる」と言うものは嘘ではありませんが、別にアルカリイオン水でなくとも残留農薬は除去できます。

 

この話の悪質な部分は、その紹介の仕方です。
悪質な業者がこの話をするとき、おそらく「トマト」か「米」で行われると思います。
何故なら視覚的に「それっぽい現象」を見せることが出来るからです。
そのような業者はトマトやまだ洗っていない米をアルカリイオン水に浸け、水道水に浸けている場合との色の違いを見せます。

 

 

アルカリ性の水で色素が落ちるトマトと変色する米のとぎ汁

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そしてその色の違いに対して「ほら、これが残留農薬です!」と紹介してきます。
断言しますが、その色は残留農薬ではありません。
トマトをアルカリ性の溶液に浸けると色素成分であるリコピンやカロチンが溶けだす為水が黄色っぽくなっているだけです。
また米のとぎ汁にしてもアルカリ性の水に浸ければ米のとぎ汁の成分が反応して黄色、薄緑色になります。

 

調べていて面白かったことが、米のとぎ汁が変色して「残留農薬が除去出来ている!」と言って喜んでいる人がいる中、神奈川県の水質についてよくある問い合わせとして
「配送水道に使われている塗装からアルカリ分が染み出ると米のとぎ汁の成分と反応して黄色、薄緑色になることがあります。その場合は最寄の水道営業所に連絡してください」
という内容があったことです。
同じ反応でとぎ汁が変色しても片や「残留農薬が落ちた」と喜び方や「水道の水質異常」と水道局への連絡を促しているのですから、面白いものです。
もしも「いや、この色は残留農薬だ!」と思うのであれば、そのような紹介をした業者に

「この色が残留農薬であるのはどうして分かったのか」

「溶けだした農薬はどのようなものか」

「一切農薬を使用していない家庭菜園のトマトをアルカリイオン水に浸けたらどうなるのか」

といったことを問い合わせてみてください。
おそらく答えられないでしょう。

 

米を家庭菜園でというのはまず無理でしょうが、ミニトマト等ならご家庭で育てることも難しくはないでしょう。
とても気の長い話になってしまいますが、試しに農薬を使用せずミニトマトを作ってみてアルカリイオン水に浸けてみると納得出来るでしょう。(無農薬栽培の野菜を買った方がお手軽ですが…)

 

なおそもそも残留農薬ですが「特に残留農薬が多い」とされている野菜であっても基準範囲内であり、普通に流水で洗っていれば問題はないそうです。
どうしても気になるという場合は、「台所洗剤」を使用するといいのではないでしょうか。
実は台所用洗剤の「用途」欄をみると「野菜・果物」も書いてあります。

 

話が少々脱線しましたが「アルカリイオン水が残留農薬を除去できる」という話は業者が自社のアルカリイオン水整水器などを買わせるためにアルカリ性で色素が溶けだす、とぎ汁が変色する性質をその知識がない人を騙して売るための悪質な情報です。

 

 

アルカリイオン水に備わった本当の効果と研究中の効果

先にこのような話を出した為に「アルカリイオン水って効果のない嘘商品なの?」と思われるかもしれませんが、厚生労働省に認められた効果のあるちゃんとした機能水です。

 

この手の機能水は怪しい商品が多いために「詐欺があるからこの商品は嘘だ」と言われる方もいらっしゃいますが、それは一部のマナーの悪い喫煙者を指差して『喫煙者は全員害悪だ!』と断言しているようなものです。
マナーを守っている喫煙者が大多数であるように、機能水も品質のしっかりした商品は多くあります。

 

厚生労働省に認められている効能は「胃腸症状改善」であり、「慢性下痢」「便秘症」「消化不良」「胃腸内異常発酵」「胃酸過多」に対しては国にその効果を認められています。
病気などに対しての効果に関してはそれ以外に「糖尿病」「アトピー性皮膚炎」「高血圧」「免疫機能」「ガン抑制」などに効果があるとする実験結果はありますしそれを記載した広告はあります。

 

しかしこれについては「まだよく解らない」が正しい認識です。
これを完全に否定している人は研究されている内容の結論を憶測で語っているだけで、研究者が一生懸命研究している内容を侮辱しているのと同じことだと私は考えています。

 

現在アルカリイオン水(電解還元水として行っていますが)を用いた研究をちゃんとした研究手順で行っている研究者も存在し、基礎的な研究ではあるとはいえ結果も出ています。
九州大学の白畑教授はこの電解還元水がガンの抑制、糖尿病を改善する一定の効果があることを細胞実験で確認しています。
生体は細胞の集合体であり細胞実験の結果がそのまま適用されるわけではありません。

 

とはいえ「細胞実験で確認したって人体じゃ同じようにならないよ」と言って切り捨ててしまうのであればそもそも細胞実験の存在意義がありません。
細胞で確認したことを動物(小型の生体)で、動物で確認されたことを更に大きな動物で行うなどで段階を進めて、最終的にヒトでの臨床実験となります。
その第一歩となる段階では確認されているのですから、今後の研究が進まなければ効果があるのか無いのかという結論は話せないはずです。

 

 

料理に便利なアルカリイオン水

その他アルカリイオン水は生活において便利な効果があります。
皆さんは野菜の灰汁抜きに何を使っているでしょうか?
よく使われている重曹や灰を水に溶かした水溶液であれば、アルカリイオン水で代用することが出来ます。

 

重曹や灰を水に溶かして灰汁抜きをする理由として、山菜をアルカリ性の溶液に浸けて茹でることでえぐみのや苦味といった成分を溶けだしやすくする効果があるからです。
つまり元々アルカリ性であるアルカリイオン水は山菜等の灰汁抜きに適している事になります。

 

とはいえ全ての灰汁抜きに使えるわけではなく、タケノコの灰汁抜きに米のとぎ汁や米ぬかを水に加える理由はこれらに含まれる酵素が重要だからであり、ゴボウやレンコンを少量の酢を入れた水(水そのものよりもこちらの方が良いようです)を利用するのはまた別の理由があります。
その為「全ての野菜の灰汁抜きに使える」とは言えませんが、重曹や灰を買うよりも元々整水器を設置していればそちらの方が良いでしょうし、灰汁抜きのために買うのであれば市販のアルカリイオン水の方がコストパフォーマンスに優れている場合があります。

 

また、昆布の旨み成分、お茶のカテキン等の成分は弱酸性であり、アルカリ性のアルカリイオン水の方がよく抽出されてくれます。
ご飯を炊く際にアルカリイオン水を利用すると水道水で炊く場合よりもおいしいというアンケート結果も出ています。
ご飯を炊く場合、炊飯器によってはアルカリイオン水が使用できない機種も存在するようなので、確認をしてから使うと良いでしょう。

 

アルカリイオン水の効能は?という疑問の結論としては、アルカリイオン水は胃腸症状改善の効果が認められている他、料理に使うと灰汁抜きや抽出、ご飯がおいしく炊けるという便利な面もあります。

 

まとめ

 

 

  • アルカリイオン水は正式名称ではなく色々な別称がある
  • アルカリイオン水が残留農薬を除去できる効果は水道水と同程度
  • アルカリイオン水にトマトを浸すと色素が浮き出るし米のとぎ汁は変色する
  • アルカリイオン水は胃腸症状改善の効果が国に認められている(研究中の効果もある)
  • アルカリイオン水は料理に便利

 

 

 

アルカリイオン水という言葉は最近聞かなくなったと思いましたが名前が変わって流行っているようですね。
還元水素水は一般的な「高濃度水素水」とは毛色が違うようなので、個人的にはアルカリイオン水の方が分かりやすい気がします。

 

トマトや米の他にもブロッコリーのワックスブルームも「農薬が…」標的にされているようですね。
ワックスブルームとはブロッコリーやキャベツといったアブラナ科の野菜が自分の水分が蒸発し乾燥しないように生成するロウのようなものです。

 

ブドウも同じようなものを出すそうで、植物が出す完全な天然成分のことを「残留農薬」だ「つやをよくするためのワックス」だといったような農家を馬鹿にしたような理論で自社商品をよくみせようとする業者は個人的に許せません。(私自身は農家ではないです)

 

私は胃腸が弱いので、アルカリイオン水を気にして飲んでみようかなと思いました。
原理は確認できませんでしたが、トマトをアルカリイオン水に浸けると甘くなるらしいです。
ちょっと試してみたいですね。

 
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