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何故水素水が話題になっているのか?

 

近年話題になっている水素水ですが、これは何故体にいいとされているのでしょうか?
これは水素という分子が活性酸素に対して強い抗酸化作用を持つという研究成果がある為です。

 

活性酸素は適量であれば体内に入り込んだ細菌類を殺菌する作用、細胞を保護する作用がありますし、体内の酵素の作用を促進させる効果もあります。
とはいえ増えすぎてしまうとその強力な酸化作用により自分の細胞を酸化させてしまいます。
酸化させるという事は金属でいうと錆びるということであり、人体でいうならば老化という事も出来ます。

 

この細胞を老化させてしまう働きは様々な生活習慣病の原因となってしまったり肌のシワなどの美容に悪影響を及ぼしたりと、人体に様々な問題を引き起こすと言われています。
脂肪や塩分もそうですが、活性酸素も適切な量までは無くてはならない存在であっても過度な量となると体に悪影響を及ぼす存在という事になります。
その為増えすぎてしまった活性酸素を抗酸化作用によって除去し、細胞を酸化(老化)から守る物質が注目されています。

 

この抗酸化物質は水素の他にビタミンCやビタミンEといった抗酸化ビタミンやアスタキチンサンというサケやエビの色素物質などがありますが、ビタミンCはコラーゲンの合成等の様々な役割を持ち抗酸化物質として使われすぎるとその他の作用で不足になってしまいます。

 

 

最初の論文から5年間で爆発的な勢いで進んだ水素研究

 

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水素はヒドロキシルラジカルという活性酸素の中で最も反応性の高い(毒性の強い)活性酸素と反応することが明らかとなっています。
水素はビタミンCやE等の抗酸化物質よりも抗酸化作用が強いといわれており、2007年に水素が毒性の強い活性酸素種を選択的に還元出来る抗酸化物質であるという論文が報じられてから5年間の間に水素を用いた研究は急速に進み、200以上の関連論文が発表されています。

 

この最初の水素の論文は水素ガスを用いていますが、その後の研究では水素水を用いた実験も行われており、その時に使用されている水素水は飽和水素水(1.6ppm)の場合もあれば水素濃度のそこまで高くない水素水を使用して効果を示しているものもあります。

 

ここで水素水を用いた研究をいくつか紹介したいと思います。

糖尿病・メタボリックシンドロームについて

・動脈硬化症となるように遺伝子を操作したマウス(以後遺伝子改変マウス)に水素水を飲ませたところ動脈にアテロームという血管に脂肪の沈着物の形成を抑制し、酸化ストレスが抑制された。
同じく2型糖尿病の遺伝子改変マウスに水素水を飲ませたところ体重が減少し体脂肪低下と血糖値の抑制が起きた他、脂質代謝をコントロールするホルモンの発現が亢進した。38
・メタボリックシンドロームのラット(遺伝子改変ラット)に水素水を飲ませると肝機能、腎機能の悪化を抑制した。39

臨床研究

糖尿病患者に1日900mlの水素水を8週間飲み続けてもらった結果、脂質と糖の代謝に好影響を与えた為水素水はインスリン抵抗性(インスリンが効き難くなること)関連疾患の予防と治療に使用できる可能性がある。40
水に金属(マグネシウム)を入れて水素を発生させる方式の水素水をメタボリックシンドローム予備軍の被験者に8週間飲み続けてもらった結果、酸化ストレスの抑制効果が示された。41

 

脳神経機能障害の改善について

動けないように拘束したマウス(体にこのようなストレスを与えると酸化ストレス・炎症で認知機能に異常が出る)に水素水を与えたところ機能障害が抑制された42
抗酸化物質ビタミンCが体内で作れないようにした遺伝子改変マウス(本来マウスはヒトと違ってビタミンCを体内で作れる)に水素水を投与した脳を観察すると水素水を飲ませていないものに比べて酸化ストレスに対する防御が亢進されていた。
老化促進マウス(遺伝子改変マウス)に水素水を与えたところ認知記憶障害と海馬神経細胞(記憶に深く関わっている部位)の変性を抑制した。
神経細胞死と異常行動が起きるようにラットに神経毒を投与する場合においても、水素水を飲ませることによってこの細胞死と異常行動が抑制された。45

 

このように現在水素水を用いた研究は多くあり、水素水では効果があっても水素ガスでは効果が無かったというケースもありますので、水素水と水素ガスでは効き方が違うという可能性も出てきました。

更に現在では水素水点滴や水素水注射といった水素水を用いた治療を行っているクリニック、歯科医院もあります。

 

 

水素水が胡散臭いと思われている理由

 

これだけ研究が進み治療が受けられるようになっている水素水ですが、インターネットで調べてみると「水素水は詐欺だ」「水素水の効果は嘘っぱちだ」「水を飲んだところでなんの効果があるってんだ」というような否定的な意見が多くあります。
このような状態になっている要因として

1. 水素水を「どんな病気も治せる万能薬」というような誇張表現している広告が多い

2. 厚生労働省などで認められている訳ではない

3. 否定派の論調の強さ

があります。

 

水素水の誇張表現

悪巧み

 

 

 

 

 

水素水の名称として「IZUMIO」や「VanaH」を聞いた事はありませんか?
これらは主にマルチ商法によって広がった商品で、これを購入した人の多くは友人・知人などからの紹介によるものだと思います。
これらの紹介の際に「どんな病気も治せる!」「この水素水を飲んだら癌が完治した!」といったような文言がなされているケースが多かったようで、IZUMIOを販売しているナチュラリープラスは9ヶ月の営業停止命令、VanaHも「国連の機関に効果を認められた」、「国連にロゴを承認された」といった虚偽の情報を出した等で措置命令を消費者庁から受けたりもしています。

 

他の雑誌やテレビなどでも「万能薬」に近い表現をしている等の誇張表現が多く、このような表現により水素水という商品自体が「胡散臭い」というレッテルを貼られてしまっている現状があります。
水素の抗酸化作用により様々な疾病に対して効果が期待されていますが、現在その効果が国により認められているわけではなく「○○が必ず治る!」というような広告は薬事法違反になります。
そもそも実際に処方される医薬品であっても「必ず治る!」と断言できる物は無く、だからこそ例えば「糖尿病の薬」と一言にいっても「DPP-4阻害薬」や「インスリン抵抗性改善薬」等の様々な種類の薬があり、その症状に合った薬が処方されます。

 

また、水素水という名称で販売しているにもかかわらず水素がほとんど入っていない商品が存在することも要因となっています。
このような無責任な広告の多さが水素水そのものの信用を失わせてしまっています。
水素はペットボトル容器であれば透過出来ますので、ペットボトル容器で販売されている商品は充填する際には高濃度であったとしても実際に消費者の元に届く頃には水素はほとんど入っていないでしょう。
その他水素サプリという飲むと水素が発生すると謳われている商品もありますが、水素研究の第一人者である日本医科大学の太田教授は水素サプリメント「水の素」等の商品と関わりのないこと、これらを問題のある商品としています。

 

国により効果が認められているわけではない

水素水は現在小規模の臨床研究、クリニックによる水素治療は行われていますがまだ研究中の段階です。
国に医薬品として認められているわけではありませんし、特定保健用食品(トクホ)としての許可を受けているわけではありません。
これは効能・効果が無いと断言されているわけではなく、「まだ効能・効果が認められていない」のですが、何故か否定派の人たちは「そんな効果があるならとっくに医薬品になっていると思いませんか?」と医薬品になっていないという事を効果が無いと断じています。

 

水素研究についての最初の論文が2007年なので現在(2016年)は9年目となります。
実際に研究が始まったのはもう数年前でしょうが、研究が開始されて10年前後の物質が「とっくに医薬品」となるようであれば、今頃IPS細胞等の再生医療は実用化されているのではないでしょうか?
1.で述べた「誇張広告」により失ってしまっている信用に加えて「医薬品・トクホとなっていない」という事から「これだけ治る治ると言われているのに医薬品になっていないの?」と水素水が「胡散臭い」商品となってしまう事態になってしまっています。

 

否定派の論調の強さ

キレる

 

 

 

 

 

水素水についてネットなどで調べてみると「水素水は効果が無い」と断言している方が多くいます。
1.と2.で示した理由から「胡散臭い商品」として認識されてしまっている水素水の効果について調べてみた結果「水素水は効果が無い」という記事をみれば、その論証に根拠が無いことに気が付かなければ「なんだ、やっぱり嘘なのか」と結論付けてしまうでしょう。

 

そしてヤフー知恵袋などで同じように水素水の効果について調べている質問を見つければ、「効果が無い」と結論付けた回答をしてしまいます。
実際に「効果が無い」としている回答を見ると「水素水で詐欺が起こっているから嘘だ」「医薬品になって無いんだから効果は無い」という反射的な断言が大半です。
それ以外の回答ではそれなりに根拠があるように示していますが、その全てで否定の根拠が実験により示されていません。

「胡散臭い話に本気で研究するモノ好きは居ない」

「否定したところで当たり前のことなのだから無駄なことだ」

「効果があると感じている人はプラセボ(薬だと思って飲むことで薬では無いものを飲んでも薬効が出る、一言でいえば『病は気から』)」

「自然界に無いものはヒトの体では対応できないのだから考えれば分かるだろう?」

「人体では水素を代謝しないのだから効果があるわけが無い」

上記のような科学的根拠があるように回答している人にしても、結局は「こうだろう」という考えから出ているものであって科学的根拠とはなりません。
実際に「水素水を使用した研究結果」は出ているのであって、それをこのような形で否定するだけというのはどうなのでしょうか?
確かに1.で示したような万能薬としての機能は疑問が出てきて当然ですが、研究者が研究結果を示した上で出した結論に対して何の研究結果も示さずに「こうだろう」という考えだけで否定していくのには疑問を感じます。

 

上記の要因から、「水素水は胡散臭い嘘商品だ」という認識が広まっていると考えられます。
現在は大規模な臨床研究などが行われていない為完全に否定する事は出来ませんが、それは「嘘商品だ」と言っている方々も同じことです。
今後の研究により、本当のことが判明するでしょう。

 

 

まとめ

 

 

 

  • 水素には活性酸素に対する抗酸化作用がある
  • 活性酸素は完全な悪者ではなく一定以上存在することが問題
  • 水素水・水素ガスによる臨床研究を含めた研究結果はある
  • 水素水治療を実施しているクリニックもある
  • 水素水が胡散臭く思われるのは根拠の無い誇張表現と否定表現の結果

 

 

個人的に物事は客観的な根拠を求めるタイプですので、「賛否両論あるけど賛成派の根拠としている文献等は見つけたが反対の意見に対する根拠となる文献が見つからないから教えて」と言うような疑問に対して「調べる価値が無いから反対派の文献が無いだけだ。効果を示している文献は全てプラセボ」とでも言うかのような回答ばかりで何故この様なことになっているのかが分かりませんでした。

 

否定派もこれだけ論文が出て一部クリニックで実用化されているのだから否定する論文を示した上で否定しないとエセ科学と断じられてもおかしくは無いと思うのですが…
夏場にたまにあるUFO等の解明されていないものをかなり無理やりな実証の仕方をして否定している研究者を見ている気分でした。

 

後意外だったのは、水素は食品添加物として登録されているそうです。
個人的にはそこに驚きました。

 
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