マルチの始まり

VanaHとは?

 

今から10年近く前に韓国の女優であるチェ・ジウが水素水のCMに出ていたことをご存知でしょうか?
その水素水こそVanaHというVanaH株式会社の販売する水素水です。
このVanaHに対して「友人からVanaHを薦められたんだけどこの水素水はどうなの?」という疑問を持たれる方が多いようなので調べてみました。
最初に勧められている方が多い理由ですが、これはVanaHという商品の販売システムによるものが大きいでしょう。
VanaHはAmazon等インターネットで購入することも出来ますが、メインはマルチ商法による販売となっています。

 

ここで「マルチ商法って違法行為でしょ?」と思われる方がいますが、マルチ商法(連鎖販売取引)自体は違法行為ではなく特定商取引法第33条で定義されている合法的な販売形態なので「マルチの会社だからあの会社は犯罪行為をしている。警察に訴えることが出来る」と仰る方がいればそれは法律を間違えて認識しているので、お知り合いであれば指摘を、どこかのHPであれば「法律の勘違いが含まれた文章である」という点を留意して参考にされた方が良いでしょう。

 

とはいえマルチ商法は限りなく黒に近いグレーな商法であり、法律で厳しい規制がなされています。
その為会社自体は合法的であっても実際に勧誘を行う勧誘者が禁止行為を行っている場合が多く、マルチ商法=犯罪行為という認識が広がっています。
またマルチ商法と非常に良く似た「ねずみ講(無限連鎖講)」という違法行為が存在するため、この違法行為とマルチ商法が混合してしまっているのも間違えてしまっていることの要因となっているでしょう。

 

 

マルチ商法とねずみ講の違いとは?

 

ではマルチ商法(ネットワークビジネスとも呼ばれる)とねずみ講はどのような点が違うのでしょうか?
マルチ商法を一言でいうと「商品を紹介・あっせんする立場を金銭(金銭以外の財産も含む)を支払うことで得て商品を販売・あっせんすることで利益を得るシステム」となります。
これだけだと良く分からないと思うので例を出すと

 

Aという商品は通常購入で1万円となっているが入会金2万円を支払い会員になると会員価格の6千円で購入できるようになります。
更に会員は他の人物にAを販売する権利と自身の紹介で新たに入会した者がいる場合あっせん料1万円がもらえるようになります。
つまり通常であれば1万円を支払いAという商品を購入するだけだったものが、2万円を支払えば6千円で購入することが出来るようになり、7名に定価でAを販売することが出来れば販売マージン4千円×7人=2万8千円となり自身が支払った額以上の金額が収入となり、それ以降販売することが出来た分だけ儲けとなります。
また3人にこの会員になるようあっせんした場合も紹介料1万円×3人=3万円となり元はとれ、これ以降は完全な利益となります。

 

これに対してねずみ講を簡単に言うと、このマルチ商法から商品の販売の部分を取り外し紹介料に特化した商法です。
例を挙げると
Aという人物がαの会という会に入会する際、自分の5世代上の会員と本部にそれぞれ千円を支払います。
その後AはBとCを勧誘し、BとCは自分の5世代上の会員と本部にそれぞれ千円を支払い入会します。
これを繰り返していくとAから見て5世代したの会員は32人となるので、Aは3万2千円を受け取ることが出来るようになります。
2千円を支払い3万2千円の利益を得られるのであればおいしい話に感じるかもしれませんが、このねずみ講には問題があります。
それは人間の数には限界があるということです。

 

利益を上げられる人が確実に一握りしかいないねずみ講

上位に位置する一部しか儲からない

 

 

 

 

 

最初にこのαの会を作った人物は利益を受け続けることが出来ますが(本部へ支払った分は上位の階層にいる人物で分配される為)、新たに会員となる人物は利益を得ることが非常に難しくなっていくのです。
例えばAが5世代上の人物に千円を支払っている場合、その5世代上の人物が創始者であったとしても自分と同世代の人間は160人存在することになります。
更に上の階層の人間は31人いますので、合計211人の会員が存在します。
この段階ではまだそこまで会員数はいませんが、ここから自分が利益を得るまでが問題となります。
Aと同じ世代の会員が全て利益を得ようとすると、160人の人物がそれぞれ160人の会員が加入する必要があります。
つまり160人×160人=2万5,600人の勧誘が必要になります。この人数は東京都墨田区の人口とほぼ同じとなっています。
この段階で困難であることはお分かりいただけると思いますが、Aの下の会員達が利益を得ようとした場合はそれぞれが更に160人の会員を入会させる必要があるため、409万6千人という静岡県の人口を大幅に上回る人数を勧誘する必要があります。
ここまで来ると利益を得ることはほぼ不可能といっても過言ではないでしょう。

 

このようにねずみ講で利益を得ることが出来るのは初期メンバーとはじめに勧誘されたごく僅かな人間だけとなります。
マルチ商法でも似たような構図になり上位の人間が儲かる仕組みにはなりますが、商品の販売促進を主目的としている点でねずみ講とは異なります。
とはいえ近年ではねずみ講でも商品を販売するように見せかけるなど巧妙化していますし、マルチ商法でも販売マージンよりも紹介料の方が高額となる性質から違法行為となってしまうような強引な勧誘を行う、また本来の商品価値に対して販売価格が著しく高額となっているなど問題が多くあるのが現状です。

 

 

VanaHはどんな水?

このような販売形式をメインとしているVanaHですが、水素水としての品質はどうなっているのでしょうか?
VanaHは山梨県富士吉田市新屋の富士山国立公園内にある採水地から採水した水で、水素を人工的に含ませるのではなく、元々水素を多く含んだ天然の水素水であるということをウリとしています。
ウリにしてはいますが、水素がどの程度含有されているのかの記載はありませんでした。
バナジウムに関しては6.5µg/100mlの記載がありました。(アサヒ飲料の富士山のバナジウム天然水のバナジウム含有量6.2µg/100ml)

 

実際に自然に存在する天然水で水素が他の水よりも含有されているとされる水はこの富士山の天然水素水の他にも存在します。
とはいえ水素が透過して逃げてしまうペットボトル容器である為、例え採水地で水素含有量が豊富であったとしても容器で保存し工場から出荷され自宅に届くときには水素含有量はほぼ0であるといっても間違いではないでしょう。
同じ天然水素水ということをウリにしている日田天領水はこの水の水素は活性水素であり長期間安定的に保存できるという事が記載されていますが、その原理と活性水素の含有量は確認することが出来ませんでした。

 

他にVanaHに関しての話として、平成24年12月20日に不当景品類及び不当表示防止法第6条に基づく措置命令を受けています。
これは、VanaHのエージェント(会員のこと)に対して「スイスのジュネーブにある国連本部にて、10月26日(水)にVanaH株式会社が世界で初めての『国連認定証』を取得致しました!」、「国連から富士山の天然水素を豊富に含んだ高品質な水を所有している、VanaH株式会社へ、飲料として世界で初めて、国連のロゴマークを商品ラベルにオンリーワン(世界でVanaH株式会社のみ)の証として使用許可を頂きました。」というあたかも国連がVanaHの品質を保証しているかのような虚偽の情報を流したことに対しての措置です。

 

この他にも、水素の抗酸化作用について研究している日本医科大学の太田教授が自身の研究室のHPにて
自分はこのVanaHという商品とは何の関係も無く、VanaH株式会社に「無断で私の名前や写真・動画を使わないで欲しい」という旨の警告書を送付した
ペットボトル入り水素水・活性水素水は私とは無関係で、ペットボトル入りの水素水の水素濃度を測定しても有意な濃度を示していない
と記載されています。

 

VanaHがよく否定的に言われるのは元々「水素水」そのものが否定的に見られがちなことの他にマルチ商法という手法と不当景品類及び不当表示防止法第6条に基づく措置命令を受けたこと、研究者からも自分は無関係と突き放されていることが原因だと考えられます。
VanaHとは離れますが、販売方法をマルチ商法にしている水素水は他にもあります。

 

ナチュラリープラスという会社の「IZUMIO」という水素水は、マルチ商法の違反行為である勧誘目的等不明示、不実告知、重要事項不告知、公衆の出入りしない場所での勧誘、迷惑勧誘をおこなったということで消費者庁から2016年3月10日から12月9日の9ヶ月間の業務停止が命じられています。

 

まとめ

 

 

 

  • VanaHが友人・知人から勧められることが多いのは「マルチ商法」だからである
  • マルチ商法自体は合法であるが規制が厳しく違反が多い(VanaHも措置命令を受けている他、ナチュラリープラスという会社は9ヶ月の業務停止命令を受けている)
  • VanaHは水素濃度が明記されていない他、水素が抜けてしまうペットボトル容器の商品である
  • 水素を研究している日本医科大学の太田教授から「私はVanaHには関係ない、私の名前や写真、動画を勝手に使うな」と警告書を受けている

 

 

 

VanaH…調べれば調べるほど怪しいですね。
私個人としてはマルチ商法であっても品質がしっかりしていれば問題はないとおもっています。
初期費用がかかっていても相場よりも安い値段で購入できるのであれば、あまりにも会員に関わる費用が高額でない限りは最終的な費用が安く出来ますし、転売の許可もあるのでヤフオクなどで上手く売買出来れば御の字ですし。

 

とはいえそれは品質がしっかりしていてのことで、VanaHの場合ペットボトル容器の水素水という段階で「あれ?」と感じてしまいますし、日田天領水のようなペットボトル容器でも抜けない水素が入っているのであれば、現在研究されている水素とはまた別の性質を持った水素が入っているという事になります。
そんな別の性質の水素なのに研究結果は普通?の水素を引用しているのであれば更に「あれ?」と感じてしまいます。
そのような疑問に感じてしまうような水素水を飲むのであれば他の水素水を飲んだ方がいいでしょうし、採水地にこだわりたいのであれば似た採水地から採水しているアサヒ飲料の富士山のバナジウム天然水の方が安上がりです。

 
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